2020年4月

最近は疫病による外出自粛が社会正義として喧伝されている。僕の方の生活の変化としては、友人と直接会えなくなったこと、図書館そして外食に行けなくなった位で、それ以外は疫病以前とあまり変わらない;起臥、食事、YouTubeSpotifyNetflix、気が向いたら読書、友人との電話、1日1回の散歩そして坐禅である。

マスクについては色々論文を読んだが、症状がある人が着用することに科学的根拠 (evidence)はあるが、予防目的にマスクを着用することは、N95マスク以外のマスクつまり市販のサージカルマスク着用による予防は科学的根拠に乏しいかつ効果が無いらしいので、僕は外出時マスクはしていない。個人的にマスクを着用している人は、有症状者と花粉症の人を除き、(誤った)安心感を得たいのが半分、世間的圧力によるファッション半分なのではなかろうか、と勝手に思っている。B29に竹槍で立ち向かおうとした頃と比べて、日本人は進歩したのだろうかとさえ思ってしまう。それとも批判的合理主義的に、科学は反証による暫定的進歩をするのだから、マスクをすることが「予防効果有り」という根拠でもそのうち出てくるのだろうか。

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予防についてはなるべく簡潔を心掛けている。オッカムの剃刀である。

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ニュースはもちろん見ない。というのも、僕に提示または喧伝される情報や事実(事実か疑わしいものもあるが)に対してどうもすることもできないし、僕ができる最大限のことはやっているからである。ニュースがもたらすネガティブな影響についてS・ピンカーは『21世紀の啓蒙』でこう述べている:

(略)ニュースというものはそもそも、人間の認知機能と相互作用することによって、わたしたちに「世界は悪いほうに向かっている」と思わせるようにできている。ニュースは何かが起こるから報じるのであって、何も起こらなければ報じない。キャスターがカメラに向かって「戦争が起こってない国から生中継でお伝えしています」ということなどありえないし、爆撃されていない都市や、銃撃されていない学校も同じことだ。(中略)ニュースは「歴史の最初の草稿」というより、むしろスポーツの実況放送に近い。(中略)ネガティブなニュースがもたらす結果はそれ自体がネガティブだ。ニュースを見れば見るほど、正しい情報が得られるどころか、誤った方向に誘導されかねない。

(S・ピンカー(橘明美他訳)(2019)『21世紀の啓蒙』草思社、88-89頁

 

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 国の財政拡大する機会が増えますが、日本の財政は問題ありません。迷わず給付金はもらいましょう。消費税は0%にするべきです。今まで30年やってきた緊縮財政は誤りです。

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その他にも、ピンカーはこの本で、痛快なマスメディア批判やインテリゲンチャ批判をしている。『21世紀の啓蒙』(原題:Enlightenment Now)という仰々しい題が付いているが、ギャグマンガを読むように笑える本である。是非読んで頂きたい。

以上、やや消極的なことを書いてしまったが、僕がそのように生活をしているというワケではなく、疫病以前と変わらず、自己の虚心に従って生活しているまでである。