炭酸水を飲み、カレーを食べ、鯨の鳴き声を聞く

 炭酸水を飲み、カレーを食べてばかりいる。冷えた炭酸水を飲むと、ビールを飲まずしてビールを飲んだ気になるのでいい。お酒を飲まなくなってから、体調が良い。疲れにくく、疲れがすぐ取れる。世界が私を祝福してくれているような、穏やかな気持ちでいられる。一方で偶に友人と飲むビールも、素晴らしい。松屋のカレーばかり食べている。花は桜木、カレーは松屋、とっても差し支えないだろう。鯨の鳴き声をよく聴いている。鯨は文学的な生物だと思う。私に筆力があれば、鯨を何かのテーマやメタファーにした小説を書いているだろうに。

 「小人閑居して不善を為す」という。そのアフォリズムの意味が分かってきた。前々から判ってはいたが、中庸であれ、と解釈できる。休みすぎてもいけないし、励み過ぎてもいけない。私は私が思っているほど自らをおさめていない。心理学では、人は自分の未来の感情を予測することが非常に苦手だ、とわかっている。労働をせず、不労所得で生き、有り余る時間があれば、本当に仕合せだろうか。私は不労所得で働かずとも生きていけても、何かしら社会と関わるために、かつ社会に役立つために、何かしら働くだろうと思う。筋骨は使わないと衰えるように、私の精神も社会と関わることをしないと衰えるだろう*1

*1:もちろんこれは、労基法違反の仕事及び劣悪な労働環境を肯定しているわけでは決してない。そして「社会人」という日本特有の概念を肯定しているわけではない