音楽について小試論

 スピッツの「チェリー」や「ロビンソン」や「魔法のコトバ」とかを歌いたい季節になった。スピッツには不思議なバイブスがある。バンプやラッドが苦手でも、スピッツが苦手な人に会ったことがない。人の車に乗せてもらったとき、流れている音楽の7割くらいはスピッツだと個人的には感じている。ある友人に、なぜスピッツなのかを尋ねると「ドライブの歩調(走調といったところか)に合っている」と答えた。はて、僕は車を運転しないので、よくわからなかった。が、ユーロビートや"F*ck Tha Police"をかけるよりは安全運転になるのは、間違いないだろう。

 衣服に季節感があるように、音楽にも季節感がある。夏にAll I want for Christmas is youを聴くのは、夏に全身黒の装いをするように季節感に欠ける。また、空間とも結びつく。1990-2000年代のJ-popを聴くと、松屋ブックオフを思い出し(J-popがよく流れている)、それに連なって大学時代の謙虚な心を思い出すことができる(特に経済的な意味で)。「百千万」のZORNのバース「いつかラスベガスでBirthday Bash/でもいくら稼いだってカップ麺買う」にあるように。