慎みについて

 運送業者は物を運び、詩人[ラッパー]は韻を踏み、賢者は自己をととのえる*1。賢い人でありたいなら、ブッダもいうように、自己をととのえるべきだと思う。僕は愚か者なので、自己をととのえんと、坐禅、お酒を飲まない(人といるとき、かつ相手が飲酒する場合は飲む)、そしてスマホのスクリーンタイムを減らすよう最近は行いを修めんとしている。2年くらい前に目標にした「怒らない(怒りを表出しない)」は坐禅神経科学、及びストア哲学の学びもあってか、ひじょうにできるようになってきたと思う(俗にいう、及び横文字でいう「アンガー・マネジメント」といったところだろう)。お酒をやめることは簡単にでき、あとはスクリーンタイム減少を目指す。実際には何をしているかというと、職場にスマホを持っていかないとか、外出時にもっていかない、である。腕時計とクレジットカードで大抵は事足りることが判ったのは、よい気づきであった。

 心理学の古典的な人間の分類でタイプA、B、Cというのがある(かなり大雑把な分類ではあると個人的には思う)。僕はタイプBの人間であると人からも云われるし、そして自分でも評価している。なので、心がけ次第で簡単に出来てしまっているのかもしれない。

 スクリーンタイム減少もおそらく容易だろう。というのも、僕はインターネットにうんざりしてきたので、それほどインターネットに執着してないからである。かといって、音楽を聴いたり、金融手続きをしたり、Our World in Data*2SDGs進捗状況*3を眺めたりと、用途は多様である。インターネットも怒りやアルコール飲料と同じで、うまく付き合えるようになれるかが肝心である。この3つがもし職場の同僚でいたら(おそらく可愛い女性だけど地雷;femme fataleだろう)事務的な会話以外はしないようにし、視界に入れず、見てしまった場合は話しかけず、話しかけてしまった場合には慎みをもつよう、肝に命じるだろう*4

*1:中村元訳『ブッダの真理のことば・感興のことば』(岩波書店)21頁、第80節のサンプリング

*2:https://ourworldindata.org/

*3:https://sdg-tracker.org/

*4:中村元訳『ブッダ最後の旅』(岩波書店)131頁、第5章第9節