猪苗代湖・会津若松・景観

 夏は――いつも休んでいるような性格の僕がいうのもなんだが――よく休めたように思う。猪苗代湖という処に行き、遊泳し、車中泊をした。車中泊は初めてだった。僕の場合、車中だとあまり眠れないことがわかった。眠れないので夜の湖をずっと眺めていた。夜の湖は、まるで竜でも出るんじゃないかというくらい幻想的であった。

 近くの会津若松にも寄った。行く途中、通った福島市の景観が、原色多めだったせいか、会津の上品な街並みが際立っていた(会津は小京都みたいな街である)。そこの人たちもモノトーンか紺等の落ち着いた色の服を着ていて、まるで景観に人が合わせているかのようであった。友人は「俺が大学であった福島と岩手出身のやつらは原色の服ばかり着てたよ。でも会津出身のN君はジャケットをいつも着ていたね」と語った。原色は悪である。ちなみにそのとき車内では、彼が近頃気に入っているNiziUがかかっていた。

 街の景観は人の美的感性に影響するのかもしれない。否、人の美的感性に街が合わせるのか? 日本の街並みについて個人的に思うことは、夜間照明を白色にするのと、電柱を建てるのを、なるべくやめて欲しい処なのだが。